第10回 埼玉臨床眼科セミナーのご案内

2016年7月22日(金) 19:00~21:00
川越プリンスホテル 3階「ゴールド」
埼玉県川越市新富町1-22 ☎049-227-1111
共催:埼玉臨床眼科セミナー/千寿製薬株式会社
連絡先 :埼玉臨床眼科セミナー事務局 〒350-1316 埼玉県狭山市南入曽565-11
TEL:04-2999-0666 FAX:04-2999-0667

謹啓

時下、先生におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

埼玉県下で眼科診療に携わる病院と診療所との医療連携を深め、より充実した眼科医療の提供を目的とした「埼玉臨床眼科セミナー」も記念すべき第10回を迎えることができました。これも偏にこれまでご参加頂いた先生方のお蔭であり、心より感謝申し上げます。今回の特別講演には、浜松医科大学病院教授の佐藤美保先生、北海道大学准教授の南場研一先生をお招きし、佐藤先生には小児眼科疾患の病診連携を中心として診療マニュアルについて、南場先生には日常診療におけるルーティンなぶどう膜炎診療についてお話し頂きます。講演会後は情報交換会をご用意しておりますので、学術、医療を通してより親交を深めて戴ければ幸甚です。多くの先生方のご参加を心よりお待ち申し上げております。

謹白
防衛医科大学校 眼科学教室
教授 竹内 大
ご挨拶
教育講演
19:00〜19:20
防衛医科大学校病院眼科における0.1%ブリモニジン酒石酸塩点眼液の臨床成績
座長榎 敏生先生 えのき眼科 院長
演者神田 貴之先生 防衛医科大学校 眼科学教室 講師
【目   的】
防衛医科大学校病院眼科における0.1%ブリモニジン酒石酸塩点眼液(以下、0.1%アイファガン®点眼液)の投与状況と臨床成績をレトロスペクティブに検討する。
【対象と方法】
平成24年8月から平成28年4月に防衛医科大学校病院眼科外来を受診し、0.1%アイファガン®点眼液による治療を受けている緑内障/高眼圧症患者177例251眼を対象に、原因疾患、投与目的、眼圧下降度について検討を行った。
【結   果】
対象患者の原因疾患は原発開放隅角緑内障が131眼(52.2%)で最も多く、次いで高眼圧症28眼(11.2%)、ステロイド緑内障25眼(10.0%)、血管新生緑内障20眼(8.0%)であった。投与目的は初回投与(他剤との併用)が57眼(22.7%)、単剤切り替えが27眼(10.8%)、単剤追加が167眼(66.5%)であった。切り替え前(18.0±3.5 mmHg)および切り替え後(17.3±4.7 mmHg)の眼圧に有意差はなかった。単剤追加群の眼圧は、追加前の20.5±9.8 mmHgから追加後15.9±7.0 mmHgへ有意に下降した。追加投与による眼圧下降度は原発開放隅角緑内障(107眼)が2.5±3.3 mmHg、高眼圧症(8眼)が3.6±3.3 mmHg、ステロイド緑内障(13眼)が8.4±6.4 mmHg、血管新生緑内障(14眼)が1.9±5.2 mmHgであった。
【結   論】
0.1%アイファガン®点眼液は他剤との切り替えにおいても同等の眼圧下降効果をもち、緑内障病型の如何にかかわらず一定の眼圧下降効果が得られる可能性が示唆された。
特別講演Ⅰ
19:20~20:10
難症例から学ぶ
─ ぶどう膜炎の診断と治療 ─
座長竹内 大先生 防衛医科大学校 眼科学教室 教授
演者南場 研一先生 北海道大学大学院医学研究科眼科学分野 診療准教授

ぶどう膜炎の診断は、眼所見およびスクリーニング検査(血液・尿検査、胸部X線写真、ツベルクリン反応など)からある疾患を類推し、それに基づいた眼科画像検査(蛍光眼底造影検査、光干渉断層計など)および全身検査・他臓器の検査おこない、その結果から診断に結びつける。このようなルーティーンの流れはとても大切であるが、時には眼所見からある疾患を瞬時に推察し、すぐにしかるべき病院へ担送し治療を開始すべき疾患がある。たとえば急性網膜壊死である。治療開始が遅れれば視力予後も悪くなる。

本講演では、そのような日頃なかなか目にしない、しかし大変重要な疾患の症例を提示することで、聴講者に診療の疑似体験をしていただくとともに、そのような疾患に遭遇した時の一助となれば幸いである。

特別講演Ⅱ
20:10~21:00
小児眼科の病診連携
座長櫻井 真彦先生 埼玉医科大学総合医療センター眼科 教授
演者佐藤 美保先生 浜松医科大学付属病院 眼科 病院教授

病診連携とは、地域のかかりつけ医と専門病院が患者さんに関する連絡を取り合いながら協力して診療していく体制をさす。診断が困難な症例、手術や特殊な治療が必要な場合に、地域の診療所から専門病院へ紹介する場合と、急性期をすぎて安定した状態になったり、治療が一旦終了した時点で、専門病院から地域のかかりつけ医に逆紹介する場合がある。特に小児疾患においては、継続的な治療を必要とする場合が多いのに対して、乳幼児の専門病院への通院は家族の負担が大きい。また学童期になると学校を休んでの通院は困難で、土曜日や夜間に診療する開業医への転医が必要になる場合もある。

小児眼科領域で病診連携が頻繁に必要となるのは、弱視感受性期間内の治療と学童期になってからの継続的な眼鏡処方、斜視手術とその後の経過観察が代表的である。また緑内障や網膜疾患など、稀な疾患に関しても状態が落ち着いている場合には、地域で定期検査を行うことが望まれる。

本講演では、一般診療所から専門施設に紹介するタイミングやポイント、また逆紹介された場合の、小児患者の定期検査のポイントについて解説する。

※プログラム終了後、情報交換会を予定しております。
共催:埼玉臨床眼科セミナー/千寿製薬株式会社
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