疾患別

ぶどう膜炎(虹彩毛様体炎、脈絡膜炎)

「ぶどう膜」という単語はほとんどの方にとってなじみがない言葉だと思いますが、私たちの目を覗いたときに肉眼でも見える「茶目」はぶどう膜の一部です。茶目のことを正確には「虹彩」と言い、そこからさらに眼の奥につながっていく「毛様体」、「脈絡膜」とをあわせてぶどう膜と呼んでいます。茶色なのにぶどう?と思われるかも知れませんが、白人では日本人より茶色系のメラニン色素が薄く、眼球の白い膜(強膜)の内側の構造がぶどうに似ていたためにそう名付けられたようです。ぶどう膜炎という病気では、このぶどう膜が炎症をおこす病気です。目が充血し、視力が落ちたり、飛蚊症(ゴミが飛んでるように見える)が出てきます。ひどい場合は、網膜剥離をおこしてくることもあります。

〇〇病によるぶどう膜炎?

 この病気は全身の他の臓器に関連しているケースが多いことが特徴で、発熱や下痢、めまいのほか、口内炎、関節痛、皮膚炎、難聴など様々な症状があわさって出てくることがあります。その組み合わせで「〇〇病によるぶどう膜炎」といったように診断していきますので、ぶどう膜炎と診断された方はご自身では無関係と思っても、気になる症状があれば主治医に相談してください。

治療について

治療は炎症を抑える点眼薬が中心になりますが、場合により内服薬や点滴薬を使用します。全身のチェックを行う目的で採血、X線、心電図などの検査が必要になることがありますので、かかりつけの内科がある方はそちらで、かかりつけがない方は最寄りの内科で平行して検査を行います。

ぶどう膜炎は症状が一旦よくなっても再発することが多く、白内障や緑内障などを合併することも多いです。目の症状が一旦良くなっても継続的に通院し、チェックを受けていただく必要があります。