第12回 埼玉臨床眼科セミナーのご案内

2017年6月30日(金) 19:00~21:00
川越プリンスホテル 3階「ゴールド」
埼玉県川越市新富町1-22 ☎049-227-1111
共催:埼玉臨床眼科セミナー/千寿製薬株式会社
連絡先 :埼玉臨床眼科セミナー事務局 〒350-1316 埼玉県狭山市南入曽565-11
TEL:04-2999-0666 FAX:04-2999-0667

謹啓

時下、先生におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

埼玉医科大学総合医療センターと防衛医科大学校が共催し、埼玉県下の眼科診療に携わる病院と診療所との医療連携を深め、より充実した眼科医療の提供を目的とした「埼玉臨床眼科セミナー」も第12回を迎えることができました。
今回は防衛医科大学校眼科播本の教育講演、そして特別講演には、同じ県下の埼玉医科大学眼科教授に昨年就かれました篠田啓先生、そして宮田眼科病院院長の宮田和典先生をお招きし、学会では聞けない貴重なご講話を拝聴できるかと存じます。
講演会後は情報交換会をご用意しておりますので、学術、医療を通してより親交を深めて戴ければ幸甚です。多くの先生方のご参加を心よりお待ち申し上げております。

謹白
防衛医科大学校 眼科学教室
教授 竹内 大
ご挨拶
教育講演
19:00〜19:20
眼サルコイドーシス患者の臨床像及び全身検査所見の統計学的解析
座長榎 敏生先生 えのき眼科 院長
演者播本 幸三先生 防衛医科大学校 眼科学教室 助教
【目   的】
高齢眼サルコイドーシス患者の眼臨床像及び全身検査所見を検討する。
【対象と方法】
平成20年4月1日から平成28年7月31日までに防衛医科大学校病院眼科を受診したサルコイドーシス患者81例(男性 25例、55.6±17.8歳。女性56例、62.4±13.6歳)を対象とした。25〜64歳の青壮年群 42例(男性14例、女性28例)と65歳以上の高齢群39例(男性11例、女性28例)の2群に分け、視力、眼圧、中心窩網膜厚(μm)、豚脂様角膜後面沈着物、周辺虹彩前癒着、雪玉状硝子体混濁、網脈絡膜滲出斑、嚢胞様黄斑浮腫、網膜前膜、両側肺門リンパ節腫脹(BHL)、血中アンギオテンシン変換酵素(ACE)活性高値(29.5 IU/L以上)陽性率、ツベルクリン反応(ツ反)陰性率を評価項目とした。
【結   果】
雪玉状硝子体混濁とBHLは有意差があり青壮年群で多かった。その他の項目では有意差は認めなかった。視力は高齢群で悪い傾向にあった。豚脂様角膜後面沈着物、ACE高値陽性率では青壮年群で、嚢胞様黄斑浮腫、網膜前膜は高齢群で多い傾向にあった。周辺虹彩前癒着、網脈絡膜滲出斑、ツ反陰性率は両群とも同等であった。中心窩網膜厚は高齢群(330.3±125.7µm)の方が青壮年群(286.1±98.6µm)より有意差は無いが厚かった。
【結   論】
65歳以上の高齢眼サルコイドーシス患者では、疾患に特徴的な所見が見られにくいことが示唆された。
特別講演Ⅰ
19:20~20:10
前眼部手術のsustainabilityを考える
ー今日のデータを明日のためにー
座長小幡 博人先生 埼玉医科大学総合医療センター眼科 教授
演者宮田 和典先生 医療法人明和会 宮田眼科病院 院長

眼光学系の担い手である角膜、水晶体に対する前眼部手術には、良好な視機能の改善と高い安全性とともに、それらの長期にわたる維持が求められる。しかし、ともすれば短期間の手術効果ばかり評価され、長期的な視機能の変化や組織環境への影響の検討は充分に行われていない。そこで、前眼部手術の効果と安全性の持続可能性、即ち手術のsustainabilityを中心テーマとして報告する。

手術効果、安全性の長期的検討には、計画的に取得された正確な臨床データが不可欠である。宮田眼科病院では、患者(Patient)の問題点に対して、データ(Data)を収集し、解析結果(Consequence)を、次の患者へフィードバックする(Application)ことを繰り返し、臨床レベルを上げる独自のPDCAサイクルに基づく診療スタイルをとっている。そのため、我々は長期間にわたる前向き・後ろ向きの患者データを有し、前眼部手術では過去10年間の手術件数39130件、術後10年のフォローアップ率は26%に及ぶ。この長期間にわたり集積されたデータの解析により、前眼部手術の効果と安全性のsustainabilityを多面的、探索的に検討し、得られた問題点に対してはさらに基礎的解析を加えた。

特別講演Ⅱ
20:10~21:00
手術とERG
座長竹内 大先生 防衛医科大学校 眼科学教室 教授
演者篠田 啓先生 埼玉医科大学 眼科学教室 教授

1970年にMachemer先生により考案され田野保雄先生樋田哲夫先生らにより本邦に広く教育がなされた硝子体手術は極めて安全性の高いものとなり、「みんなの硝子体手術」となりました。一方、手術には外傷という側面があり術式の進歩とともに様々な合併症が報告され回避するための工夫がなされてきました。手術中眼内は一時的に非日常的な環境にさらされており、今回我々はこのときの網膜機能の評価を試みました。

1991年のMiyakeらの方法をもとにして、LEDを内蔵した刺激および記録用のコンタクトレンズを用いた全視野網膜電図(ERG)記録(full-field ERG : FFERG)および、1988年の三宅養三先生の方法をもとにした黄斑局所ERG(focal macular ERG:FMERG)を手術中に行い、各手技による網膜機能変化を検討しましたので、その一部を提示させていただき、「嵐の最中の網膜の挙動」について皆様と一緒に考えたいと思います。

※プログラム終了後、情報交換会を予定しております。
共催:埼玉臨床眼科セミナー/千寿製薬株式会社
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