第11回 埼玉臨床眼科セミナーのご案内

2017年2月10日(金) 19:00~21:00
川越プリンスホテル 3階「ゴールド」
埼玉県川越市新富町1-22 ☎049-227-1111
共催:埼玉臨床眼科セミナー/千寿製薬株式会社
連絡先:埼玉臨床眼科セミナー事務局 〒350-1316 埼玉県狭山市南入曽565-11
TEL:04-2999-0666 FAX:04-2999-0667

謹啓

時下、先生におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。埼玉県下で眼科診療に携わる病院と診療所との医療連携を深め、より充実した眼科医療の提供を目的とした「埼玉臨床眼科セミナー」も第11回を迎えることができました。これも偏にこれまでご参加頂いた先生方のお蔭であり、心より感謝申し上げます。

今回の特別講演には、帝京大学医学部眼科主任教授の溝田淳先生、東北大学医学部眼科教授の中澤徹先生をお招きし、溝田先生には悪性腫瘍に対する新たな治療法として注目されている重粒子線について、中澤先生には全身の病気が緑内障の進行に影響を与える可能性、そして緑内障の眼圧非依存性因子についてお話し頂きます。

講演会後は情報交換会をご用意しておりますので、学術、医療を通してより親交を深めて戴ければ幸甚です。

多くの先生方のご参加を心よりお待ち申し上げております。

謹白
防衛医科大学校 眼科学教室
教授 竹内 大
ご挨拶
教育講演
19:00〜19:20
核硬度5度の例における
低設定超音波水晶体乳化吸引術の角膜内皮細胞への影響
座長村上 仁司先生 むらかみ眼科クリニック 院長
演者山田 布沙絵先生 埼玉医科大学総合医療センター眼科
【目   的】
低吸引圧、低吸引流量、低灌流圧による超音波乳化吸引術(PEA)の核硬度5度の例における角膜内皮細胞密度(CD)への影響を検討する。
【対象と方法】
2007年2月~2015年12月の間に手術した核硬度5度の白内障例149眼中、核が特に硬く超音波発振時間が10分を超えた例41例42眼(男18例、女23例)。年齢56~94(平均75.9)歳。術後観察期間2週~87か月(平均16.1か月)。超音波発振時間10分7秒~38分8秒(平均14分33秒)。灌流量150~640(平均328)ml。手術ではビスコートとオペガンハイを用いたソフトシェル法を併用した。使用機種はAMO社ソブリンでノーマルチップを用い、US power 40%(ホワイトスターモード)、ボトル高25~45cm(実測値)、吸引圧10~30mmHg、吸引流量14ml/分で行った。術中、ソフトシェルは超音波発振時間が5~10分を超える毎に作り直した。CDは原則として術前と術後1か月前後に視能訓練士がセンター法にて3回測定した平均値として求めた。
【結   果】
各症例での減少率は-19.5~19.6%で21眼では術後CDが増加していた。このため全症例での平均減少率は-0.6%で単純計算ではかえって増加する結果となった。理論上、術後増加はありえないので増加例での減少率を全て±0%と仮定して算出しなおして平均減少率は2.9%となった。
【結   論】
ソフトシェル法を併用した低設定PEAでは核硬度5度のうち特に核が硬い例においても角膜内皮への影響を最小限に抑えて手術することができる。
特別講演Ⅰ
19:20~20:10
重粒子線(炭素イオン線)治療の眼科領域への応用
座長竹内 大先生 防衛医科大学校 眼科学教室 教授
演者溝田 淳先生 帝京大学医学部眼科学講座 主任教授

重粒子線治療はその物理学的及び生物学的特性から一部の悪性腫瘍に対して有効な治療とされており、2016年3月までは先進医療として行われてきたが、そのなかで一部の腫瘍に関しては、2016年4月の保険改定の際に保険適用となったが、残念ながら眼科領域の腫瘍はその対象となっていない。

眼科領域では現在涙腺腫瘍と脈絡膜悪性黒色腫の治療に応用されている。現在までの所涙腺腫瘍に関しては27例、脈絡膜悪性黒色腫に対しては184例の症例に対して本治療が行われている。

本講演では、重粒子線の特徴とともにこれまでの治療の変遷と、局所制御率、生存率などの予後についてお話し、上記の疾患のなかでもどのような症例がいい適応であるのかについて検討する。

特別講演Ⅱ
20:10~21:00
知っていると得する緑内障診療のポイント
座長櫻井 真彦先生 埼玉医科大学総合医療センター眼科 教授
演者中澤 徹先生 東北大学大学院神経感覚器病態学講座眼科学分野 教授

緑内障による視神経障害は不可逆性である。そのため緑内障から失明を予防するためには早期診断・早期治療を適切に行い、緑内障性進行を正確に見極めることが大切である。

緑内障治療において眼圧下降は唯一エビデンスのある確立された治療法であるが、その病態は多因子疾患であると考えられている。特に、我が国に多い正常眼圧緑内障は、より多くの眼圧非依存性因子の関与が考えられる。そのため、十分な眼圧下降が達成されてもなお、緑内障が進行する患者の存在も意識すべきである。

近年、緑内障評価のための検査手段として、機能的解析、構造的解析共に充実し、更には眼圧非依存性因子の定量化も可能となった。それにより症例ごとに病態に関与する因子の理解が深まってくる。そこで、本公演では知っていると得する緑内障診療のポイントについて紹介したい。特に全身の病気が緑内障進行に影響を与える可能性、緑内障の眼圧非依存性因子について、これまでの東北大学における研究とその成果を、最近の知見と合わせ紹介する。

※プログラム終了後、情報交換会を予定しております。
共催:埼玉臨床眼科セミナー/千寿製薬株式会社
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